コーヒー豆の保存 (その1)
「コーヒー豆はどのように保存すればよいのか?」皆さんが気になることの一つだと思います。
お店によって、常温が良い、冷凍が良いなど言うことはまちまちで、賞味期限の設定もバラバラなので困惑してる方もいると思います。
お店やその商品によって推奨される保存方法が違うのは、パッケージングの方法や、想定している消費期間が異なるからだと考えられます。
コーヒー豆の保存を考えるにあたって、まずコーヒーを劣化させる原因は何かを理解すると適切な保存方法が導き出せるかもしれません。
【劣化要因1ー酸素】
「コーヒーが酸化してまずくなった」という表現は度々みられるため、酸素が劣化要因だということは理解しやすいかもしれません。ただ、注意してもらいたいのが、脱酸素して劣化を防ぐのは商品の製造者側にしかできないことだということです。なぜならば、酸素の劣化を防ぐためには、パッケージ内の酸素を0%に近い状態にしなければならないからです。
酸素を遮断するフィルムパッケージにコーヒー豆を入れる→内部を脱気する→窒素などの不活性ガスを吹き込む→直ちに密閉する、という特殊な行程を踏まなければ酸素を0%にすることはできません。
スーパー等で陳列されているコーヒー豆はたいていの場合このような方法で酸素をシャットアウトし、長期保存を可能にしています。そのため、賞味期限を6ヶ月や1年という長期間に設定できるわけです。
付け加えると、焙煎後間もないものはコーヒー豆から発生する炭酸ガスでバリアされており、酸素による劣化は少ないと考えられています。当店のような焙煎したてのコーヒー豆を利用する場合は酸素による劣化は考慮しなくてもよいと思います。
【劣化要因2ー光】
光は劣化要因となりえますが、あくまでも長期にわたって明るい場所に保存された場合に限られるため、製造者側が考慮すべきことだと思います。
例えば、大量生産品は長期間明るい店舗内に陳列される可能性があるため、パッケージにアルミ箔など光を通さない素材が採用されます。
家庭内で、明るい場所に数日おいてまずくなる、ということはありませんのでご安心ください。
今回は、製造者側が考慮すべき劣化要因について説明させていただきました。次回は家庭内で気をつけるべき事項を説明し、それらを踏まえて、より良い保存方法を導き出したいと思います。
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