コーヒー豆の品種 (その1)

ワインをたしなむ方であれば、カベルネソーヴィニヨンや、ピノノワールなどブドウの品種で銘柄を選ぶという方も多く見えると思います。それと同じように、コーヒーにも品種がありそれぞれに個性があります。今回は、やや専門的な内容も含まれますが、できるだけわかりやすくコーヒーの品種に関する知識について解説していこうと思います。

コーヒーの品種は大きく分けて、アラビカ種、ロブスタ種、リベリカ種の3つが有り、それらをコーヒーの3大原種と呼びます。

ただし、その中のリベリカ種に関しては生産規模は極めて低く、日本国内ではまずお目にかかることはありません。したがって世界中で生産されるコーヒー豆の品種はほとんどがアラビカ種とロブスタ種で占められ、その内訳は2019年現在のところアラビカ種6割、ロブスタ種4割となっています。

アラビカ種とロブスタ種は同じコーヒー豆ではありますが、風味特性や価格帯に差があるため、使用用途がそれぞれ異なります。以下でそれらの特徴について説明します。

【アラビカ種】
世界中で最も良く使用される品種で、爽やかな酸味や甘い香りを有するため、風味に対する評価が高くなる傾向があります。品質重視のコーヒーにはアラビカ種が100%使用されていると考えて良いでしょう。

アラビカ種は様々な栽培品種に区分けされており、最近話題になっているゲイシャ種もアラビカ種の栽培品種に当たるため、厳密には「アラビカ種ゲイシャ」と呼称します。

他にも、アラビカ種のルーツと考えられている「ティピカ」や、ティピカの突然変異種である「ブルボン」、中米主要品種である「カトゥーラ」、ブラジルの主要品種「ムンドノーボ」等が有名です。

【ロブスタ種】
ロブスタ種(カネフォラ種とも呼ぶ)は流通しているコーヒー豆の4割に使用されているため、多くの方が味わったことがあるはずです。ただし風味に独特な強い個性があるため、ロブスタ種100%のコーヒーが出回ることは滅多に無く、アラビカ種とブレンドされることがほとんどです。

ロブスタ種は苦味が強く酸味が少ないのが特徴です。例えるならば、若干焦げ臭のある麦茶のような風味といったところでしょうか。そのような風味特性のため、アラビカ種に適度な苦味を加えるためブレンドされたり、インスタントコーヒーや缶コーヒーに利用されることが多いです。

ロブスタ種は一般的に風味の面ではアラビカ種に劣りますが、丈夫で生産性が高いため、通年に渡り安定した量を安価で調達できるというメリットがあります。インスタントコーヒーやスーパーで販売されているコーヒー豆のような、いわゆる大量生産品にとって、そのようなメリットは極めて重要であり、現在でも膨大な需要があるわけです。

【ハイブリッド種】
コーヒーの3大原種には当たりませんが、近年脚光を浴びている品種なので、簡単に説明させていただきます。

ハイブリッド種とはアラビカ種とロブスタ種を交配させた、それぞれの良いとこどりの品種です。生産が始まった当初はロブスタのような丈夫さは十分であっても、アラビカには風味で一歩劣っていました。しかし、コーヒー研究者の絶え間ない努力の結果、現在では純粋なアラビカ種に勝るとも劣らない風味のハイブリッド種が開発されています。

スペシャルティコーヒーの生豆にもハイブリッドが活用されることが増えてきており、今後もその流れは加速していくかもしれません。

今回はコーヒーの品種を語る上で重要なアラビカ種とロブスタ種、あわせてハイブリッド種について説明しました。次回はそれらの品種に関する知識をさらに掘り下げ、それらの生い立ち等を中心にお話したいと思います。