最高等級コーヒーとは。

近年消費されているコーヒーは高品質志向になりつつあるため、缶コーヒーやコンビニコーヒーでも「最高等級豆使用」とうたっている場合があります。そのような表記を見ると、「スペシャルティコーヒー豆を使っているのかな」と考えるかもしれません。

最高等級豆とスペシャルティコーヒー豆、似ているようで全く異なるのですが、ほとんど知られていないのが実状だと思います。今回は最高等級とは何を表しているのかを含め、コーヒーの等級について解説していきたいと思います。

コーヒーは生豆の状態で生産国において格付けがなされます(一部格付けをしない生産国もあります)。等級が高いものほど高値で取引され、高級品として取り扱われますが、格付けの方法やその厳格さは国によって様々です。以下で代表的な格付けの方法を説明させていただきます。

1.栽培地点の標高による格付け
グアテマラやパナマ等、主に中米で行われる格付け方法です。高地であるほどコーヒーは品質が良くなる傾向にあるため、栽培標高が高いものは高等級コーヒーとして格付けされます。

2.欠点豆による格付け
エチオピア、ペルー等で行われる格付け方法です。欠点豆の混入が多いほど不快なフレーバーとなる可能性は高まるため、その混入が少ないものは高等級になります。

3.生豆のサイズによる格付け
コロンビア、タンザニア、ケニアで行われる格付け方法です。サイズが大きいほど等級が高くなりますが、上記2つのような風味上の差異は少ないと考えられています。

4.欠点豆とサイズの複合
ブラジル、インドネシア、ジャマイカ等では大粒かつ、欠点豆混入が少ないものを高等級に格付けします。

これらの格付けに共通しているのは、多くの場合カップテスト(風味の鑑定)が必須ではない、ということです。つまり、コロンビアであれば大粒のものであれば最高等級を表記できますし、グアテマラであれば規定以上の標高で栽培されれば最高等級になります。さらには生産履歴や品種が不明確でもOKなため、様々な農園の混合品であっても最高等級を名乗れます。

一方、スペシャルティコーヒー豆はカップテストが必須で、規定の風味品質に達している必要があります。更にはトレーサビリティ(生産履歴が追跡可能であること)が重要になるため、栽培地点や品種、生産者などの情報がはっきりしており、より一層高品質で安定した風味となるのが特徴です。

以上のことから、単に最高等級豆と表記されているものと比較するならば、スペシャルティコーヒー豆はより美味しいコーヒーである可能性は高いといえます。ただし、スペシャルティコーヒーは選び抜かれたコーヒーとも言えるため、必然的に高価格帯になります。

今回解説した、等級と品質の関係性、そしてスペシャルティコーヒー豆との違いを理解し、コーヒーを選ぶ際のヒントとして是非お役立てください。