コーヒーの雑味について

コーヒーに不快な風味を感じたとき「雑味」という表現が頻繁に使われているように思います。抽出がうまくいかなかった際に「雑味が出た」と感じる方もいますし、大手コーヒー製造会社でも「雑味のないクリアな風味」というキャッチコピーを使うことがしばしば見られます。さて、コーヒーに雑味を感じる場合一体何が原因なのでしょうか?今回はあまり知られていないコーヒーの雑味の正体について考えてみたいと思います。

意外かもしれませんが風味の鑑定において我々は雑味という言葉を使いません。雑味というのは曖昧な表現であるため、鑑定をする際は「○○のような不快な風味」というように具体的に表現します。コーヒーの雑味は生豆に由来する場合が多いため、味覚審査によりその有無や種類をチェックします。審査において「薬品のような風味」「発酵したような風味」「カビ臭さ」「枯れた風味」のいずれかが感じられた場合、その生豆にはダメージがあるとみなし低品質のコーヒーと評価します。

また、抽出によって雑味が生まれることもあります。その原因は大きく分けて2つ「過抽出」「微粉の混入」が挙げられます。どちらもコーヒーの抽出すべきでない成分が溶け出した時に起こり、えぐみや不快な苦味を感じさせます。過抽出は粉と湯の接触時間が長すぎることが主な原因で、微粉が混入する場合は使用したコーヒーミルの能力若しくは設定に原因があると思われます。

よって、雑味のないコーヒーを作るためには

1.高品質なコーヒー豆を選ぶこと
2.高性能のミルで粉砕すること
3.抽出に時間をかけすぎないこと

以上3つのポイントが重要であることがわかります。コーヒーにとって不純物のないクリアな風味は美味しさを左右する重要な要素です。ご家庭で淹れる際には、今回説明したことを考慮していただけるとより一層美味しいコーヒーを楽しんでいただけると思います。