エスプレッソについて

当店ではアイスコーヒーを除く全てのドリンクをエスプレッソで作っています。エスプレッソで淹れたドリンクは1990年代に大手チェーン店が日本に導入後、一大ブームを巻き起こし、現在では一般化しているわけですが「エスプレッソとは何か?」と聞かれて明確に答えられる方は少ないかと思います。

今回はエスプレッソの全体を理解するため、

①エスプレッソとドリップコーヒーとの違い
②コーヒーショップで提供されるエスプレッソ
③家庭で楽しめるエスプレッソ

の順で解説していきたいと思います。

【エスプレッソとドリップコーヒーとの違い】
それぞれの明確な違いはコーヒーの抽出方法にあります。ドリップで淹れるコーヒーは3分間前後の時間をかけてゆっくりと成分が抽出されますが、エスプレッソの場合は一般的に30秒程度で抽出が完了します。

なぜそのような事が可能なのかというと、エスプレッソは抽出に高い圧力(9~12気圧程度)をかけ、一気に成分を取り出すためです。そしてそれを実現するためにエスプレッソ用の極細挽きの粉を使用した上、専用のエスプレッソマシンで抽出します。

エスプレッソマシンで短時間に抽出された約30ccのコーヒーのエキスをエスプレッソと呼び、砂糖をたっぷりと入れてストレートで楽しむのも良いですし(イタリアではこの飲み方が基本です)、ミルクで割ってカフェラテに、湯で割ってドリップコーヒー風(アメリカーノと呼びます)に味わうこともできます。

【コーヒーショップで提供されるエスプレッソ】
コーヒーショップでは業務用のエスプレッソマシンを使用する事が基本であるため、良質なエスプレッソやカフェラテが楽しめると思います。
ただし、美味しいエスプレッソドリンクを作るにはエスプレッソマシンの性能だけでなく、バリスタと呼ばれるエスプレッソを淹れる職人の技術も重要になってきます。

バリスタに求められる能力の例としては、
「その日の豆の状態、湿度に応じた細かさに粉を挽くことができる」
「抽出される液体の状態でエスプレッソの良し悪しが判断できる」
「ミルクのスチーム(蒸気で温めること)を適切に行い良質なカフェラテを作ることができる」等が挙げられます。

その他にも多くの技術や経験、知識が求められますが、要するに高性能なエスプレッソマシンを使用してもそれを操る技術者の能力が追いついていなければ真に良質なドリンクは提供できないということです。

【家庭で楽しめるエスプレッソ】
一番手軽で安価なエスプレッソメーカーはモカポットと呼ばれる直火式の製品です。ただ、こちらはエスプレッソを作るのに欠かせない高圧力をかける事が出来ないため、厳密にはエスプレッソとは分類されず、煮出しコーヒーに近い苦味の強い味わいになります。
よって、お店で飲む味わいを追求するならば高圧力が出せる電気式のものを選んだ方が良いと思います。多くの場合ミルクを温めるためのスチームノズルが付いているため、本格的なカフェラテを楽しむ事もできます。

【まとめ】
エスプレッソを語り出すと、奥が深く難しい面が強調されてしまうので、シンプルに以下の事を理解しておけば大丈夫です。

「エスプレッソは高圧力で抽出された少量のコーヒーのエキス」
「エスプレッソはイタリア発祥で、砂糖をたっぷり入れて楽しむのが基本」
「エスプレッソを使ってカフェラテ等のアレンジドリンクが作れる」

もしエスプレッソに興味があるならば、家庭でマシンを揃えてみるのも良いと思います。その際は相談に乗りますので、いつでもお声おかけください!